ICCS触媒特性分析
包括的な触媒特性分析
- 高精度かつ高感度の熱伝導度検出器(TCD)により、検出器に注入されたガス濃度および検出器から放出されたガス濃度の変化を監視
- ペルチェシステムを搭載した内部コールドトラップにより、-20~65oCの温度を正確に制御することができ、凝縮性流体(酸化還元反応における水の生成など)を排除
包括的な触媒特性分析
Micromeriticsの触媒特性分析システム(ICCS)は、正確に制御されたプロセス代表条件下で、活性部位の数をはじめとした重要なパラメーターに関する反応の影響をその場で調査できる、高度な触媒特性分析ツールです。
スタンドアロンのアクセサリーは、微小活性システムなどの研究室用動的リアクターシステムを補完するために開発されました。また、ICCSには 昇温分析法(TPX)とパルス化学吸着法という2つの新しい機能が追加されました。
長い年月を経て有効性が実証されており、広く普及しているこれらの2つの手法を用いて、フレッシュ触媒の分析後、リアクターから触媒を移動させることなく、同じ触媒を用いて繰り返し分析を実行することができるようになりました。 これにより、活性部位の数など、使用前と使用後の触媒の状態を詳細に比較することが可能になりました。 反応分析に使用したサンプルと同じアリコートについて、昇温分析法による分析データとパルス化学吸着法による分析データの両方を取得できます。 これらの分析をその場で実行できるので、活性触媒を損傷したり、データ整合性に影響を与える可能性がある大気ガスや水分による汚染リスクを事実上排除することができます。
ICCSには、以下の機能が搭載されています。
- 高精度かつ高感度の熱伝導度検出器(TCD)により、検出器に注入されたガス濃度および検出器から放出されたガス濃度の変化を監視
- ペルチェシステムを搭載した内部コールドトラップにより、-20~65oCの温度を正確に制御することができ、凝縮性流体(酸化還元反応における水の生成など)を排除
- 2つのマスフローコントローラーにより、正確なガス制御が可能(リアクターシステムを介した圧力制御)
- 汎用性の高い直感的なグラフィックユーザーインターフェイスを搭載した、インタラクティブなレポート作成および管理システムにより、コマンドシーケンス、実験計画および結果分析を合理化
ICCSでは、次のことが可能です。
- プロセス代表条件下で(最大圧力:20 bar)、安全かつ効率的な、包括的なサンプル特性分析
- パルス化学吸着法、昇温還元法(TPR)、昇温脱離法(TPD)、昇温酸化法(TPO)および物理吸着法(オプション)を含む、幅広い試験手法に対応
- 触媒サンプルの反応または再生後、同じサンプルを使用して複数の特性分析を行い、反応、非活性化および再生のメカニズムを調査
仕様
電気的
電圧 | 240 VAC 10 A(単相) |
周波数 | 50~60 Hz |
電力 | 10 A(単相) |
制御モジュール: 最小要件
プロセッサー | Intel Core I3またはそれに相当するもの |
オペレーティングシステム | Windows 7/8/10(32/64ビット) |
RAM | 4 GB |
ハードドライブ | 500 GB |
温度システム
バルブボックス | 最大180 ºC |
加熱ライン | 最大180 ºC |
コールドトラップ | ペルチェシステム:-15~70 ºC |
圧力システム
動作圧力 | 最大20 bar(g) |
オプション
ループ容積 | 0.5 ccおよび1.0 cc |
ガス流量
マスフローコントローラー数 | 2 |
最大 必要一次側圧力 | 30 bar |
流量範囲 | MFC1 範囲1: 0~800 mlN/分 範囲2: 800~3000 mlN/分 MFC2 範囲: 0~150 mlN/分 |
ガス供給
要件 | 圧力:30 bar、排出口接続(3.17 mm) シリンダー用コネクタは付属していません。お客様ご自身で別途ご用意いただく必要があります |
物理的
高さ | 445 mm |
幅 | 545 mm |
長さ | 500 mm(PCを除く) |
重量 | 40 kg |
環境
温度 | 動作温度:10~35 ºC |
湿度 | 10~60 %(露点なし) |
推奨事項 | 直射日光を避けて、冷熱源に直接触れないようにしてください |
動作原理
ICCSの一般的な運用は、リアクターシステムに触媒を投入することから始まります。 次に、昇温法を用いて触媒の特性分析を行います。昇温還元法(TPR)は、金属担持触媒の評価に主に使用されます。昇温脱離法(TPD)は、酸触媒または塩基触媒の評価に最適です。 昇温分析法(TPX)の実施後は、パルス化学吸着法を用いて活性部位の数を特定することが多いです。 TPXとパルス滴定法を組み合わせることで、代表条件下(特に上昇圧力)でフレッシュ(未使用)触媒を分析できます。
この初回特性分析が完了したら、同じサンプルについて反応分析を行います。触媒を追加したり、別の装置に移動させる必要はありません。
非活性化後、または長時間の試験の実施後、使用済みの触媒は、フレッシュ触媒と同様に、TPXとパルス化学吸着法を用いて、同じ条件下で分析できます。 この戦略により、リアクターから触媒を移動させることなく、活性部位の数など、触媒の使用前と使用後の触媒の主な特性を比較できます。