Gemini VII
高速・高精度表面積分析
- Geminiは、独自の適応度供給アルゴリズムと静的体積測定手法を採用
- Geminiの各種機能は独自の革新的な設計を基盤としており、信頼性の高い正確な測定を実現するだけでなく、直感的なレポート機能により、オペレーティングシステムの容易な操作が可能
- 迅速かつ正確な表面積測定により、熱拡散の問題を排除
- N2を含有する低比表面積材料の測定に対応
- 標準モードでフリースペース(死容積)の影響を排除
- 3つのモデルオプションで多様なニーズに対応
MicromeriticsのGemini VII 2390シリーズは、表面積と多孔質を迅速かつ信頼性の高い方法で分析し、正確で再現性の高い測定結果を実現する表面積分析装置です。 低コストかつ高速の測定が可能で、使いやすく、信頼性と耐久性に優れた Geminiは、世界中の研究所や品質管理室で高い評価を獲得しています。
特長と利点:
Geminiの各種機能の大きな強みは、その独自の革新的な設計基盤にあります。信頼性の高い正確な測定を実現するだけでなく、直感的なレポート機能により、オペレーティングシステムを容易に操作できます。
- イノベーション: Geminiは、独自の適応度供給アルゴリズムと静的体積測定手法を採用しています。 これにより、他の静的体積測定装置をしのぐ優れたスピードと感度を実現しています。
- 精度: Micromeriticsが開発したバランスチューブ設計により、温度勾配の変化やフリースペース(死容積)の初回測定時のエラーによって生じる、フリースペースの問題を排除します。 Geminiなら、クリプトンを使用することなく低比表面積を測定できます。さらに、サーボ弁によってサンプルチューブへのガス注入速度を制御することで、圧力のオーバーシュートを防止しながら目標圧力を的確に維持することが可能です。
- 迅速な測定結果: サンプルを利用してガスの注入速度を制御し、分析ガスの注入を迅速化します。 これにより、物理吸着分析と同様のスピードで表面積分析を行うことができます。 ハウツー動画では、装置の操作方法を画面上で解説し、新規利用者のトレーニング時間を短縮します。 わかりやすい設置手順動画とシステム検証試験により、パフォーマンスを最適化して高い信頼性を維持できます。
- 柔軟性: 組み込みソフトウェアには、3つの制御オプションがあります。 外部PCへの接続が不要なキー操作、Windows 7以上のオペレーティングシステム、およびGemini VII Confirm™ 21 CFR Part 11(規制の厳しい医薬品分野向け)のいずれかの方法で動作します。
3つのモデルオプション:
-
- Gemini VII 2390a: BET 1点法、BET多点法およびラングミュア(Langmuir)法による迅速かつ正確な表面積測定に最適です。 さらに、t法を用いた総細孔容積やミクロ細孔の分析など、多様な標準分析法に対応しています。 カーボンブラックの統計的厚さ比表面積(STSA)を測定する機能も搭載されています (ASTM D 6556、ASTM D 3765、ISO/DIS 18852.2またはISO/CD 4652-2/3を参照)。
- Gemini VII 2390p: 飽和圧力(Po)チューブが追加されたことで、吸着飽和圧力を継続的に監視することが可能になり、分析の精度を向上できます。 吸着量がほぼ飽和に達するまでの吸着等温線と、細孔径分布の迅速な測定が可能な設計となっています。
- Gemini VII 2390t: Poチューブを含むGemini VII 2390pの全機能に加えて、大きなデュワー瓶と長いサンプルチューブを搭載しており、長時間の分析に対応します。 こうした拡張機能により、吸脱着プロセス全体を測定できます。 包括的なデータセットにより、最大1,000個のデータポイントを使用してBJH法またはDollimore-Heal法を用いた細孔径分布測定を実行できます。
仕様
適用性
表面積 | 総表面積:0.1 m²以上(比表面積:0.01 m²/g以上) |
細孔容積 | 4 x 10~6 cm³/g |
圧力測定
圧力測定範囲 | 0~950 mm Hg |
P/Po分解能 | 10-4未満 |
相対圧力範囲 | 0~1.0 P/Po(吸着のみ) |
圧力分解能 | 0.1 mmHg未満 |
精度および直線性 (変換器メーカーの仕様) |
± 0.5%以上(フルスケール) |
動作環境
温度 | 動作時:10~35 °C、非動作時:0~50°C |
湿度 | 20~80%(相対湿度、結露なきこと) |
ガス
吸着ガス | 液体窒素サンプル槽内の窒素向けに最適化されたもの。1,000 mmHgの圧力変換器の分解能が対応できる十分な室温および槽温度の蒸気圧を伴う、非腐食性の吸着ガスも使用可能です。 一般的に、酸素、アルゴン、二酸化炭素、ブタン、メタンなどの軽質炭化水素を使用すると、小さい絶対圧力で有益なデータを得ることができます。 ヘリウムガスの注入口も搭載されています。 |
真空システム
本体注入口での真空源:20 x 10~3 mmHg以上。油蒸気の逆流防止のための装置を取り付けることが推奨されます。 停電時にGeminiへの油の流入を防ぐために、アンチサックバック(逆流防止)バルブを本システムに取り付ける必要があります。 |
サンプルチューブ/デュワー瓶
標準チューブ | Gemini VII 2390aおよび2390p: 外径0.95 cm x 15.5 cm、 容積:6.5 cm³、 サンプル容量:約2.0 cm³ Gemini VII 2390t: 外径0.95 cm x 20.5 cm、 容積:8.9 cm³、 サンプル容量:約2.0 cm³ |
デュワー瓶 | Gemini VII 2390aおよび2390p:最大8時間、Gemini VII 2390t:最大24時間 |
電気的
電圧 | 85~265 VAC |
周波数 | 50/60Hz |
電力 | 動作時:最大150 VA(真空ポンプを含む) |
物理的
高さ | Gemini VII 2390aおよび2390p:59 cm、Gemini VII 2390t:74 cm |
幅 | 40 cm |
奥行 | 51 cm |
重量 | Gemini VII 2390aおよび2390p:32 kg、Gemini VII 2390t:35 kg |
独自の設計: Geminiの技術
構成
Gemini VIl 2390a
Gemini VII 2390a
Gemini VII 2390aは、BET 1点法、BET多点法およびラングミュア(Langmuir)法による迅速かつ正確な表面積測定に最適なモデルです。 さらに、tプロット法を用いた総ミクロ細孔容積の標準分析法に対応しています。 このモデルには、カーボンブラックの統計的厚さ比表面積(STSA)を測定する機能も搭載されています (ASTM D 6556、ISO/DIS 18852.2またはISO/CD 4652-2/3を参照)。
Gemini VIl 2390p
Gemini VII 2390p
Gemini VII 2390pモデルは、飽和圧力(Po)チューブが追加されたことで、専用の圧力変換器を使用した分析中に吸着飽和圧力を継続的に監視することが可能になり、分析の精度を向上できます。 吸着量がほぼ飽和に達するまでの吸着等温線と、細孔径分布の迅速な測定が可能な設計となっています。
Gemini Vll 2390t
Gemini VII 2390t
Gemini VII 2390tモデルは、Gemini VII 2390pの全機能に加えて、大きなデュワー瓶と長いサンプルチューブを搭載しており、長時間の分析に対応します。 こうした追加機能により、包括的な吸着等温線と、最大1,000個のデータポイントを用いたBJH法またはDH法による細孔径分布測定を実行できます。
アクセサリー
サンプル作製機器
サンプル作製機器
Micromeriticsは、表面積および細孔容積の分析向けの多様なサンプル作製機器を提供しています。 これらの機器は、流動気体や真空を熱と組み合わせることで、水蒸気や吸着ガスなどの大気汚染物質をサンプルの表面や細孔から取り除きます。 表面積や細孔容積分析データの品質は、サンプル表面の清浄度に大きく左右されます。 Micromeriticsのすべてのサンプル作製機器は、ヘリウム、窒素、アルゴンおよびその他の非腐食性ガスに対応しています。
FlowPrep™ 060
FlowPrep™ 060は、サンプルの加熱と不活性ガスの注入の両方に対応します。 サンプルを加熱することで表面の汚染物質を除去すると共に、不活性ガスを注入してサンプルチューブからも汚染物質を排除します。 使用するサンプル材料や適用分野に合わせて、最適な温度やガス、流量を選択できます。 ニードルバルブを使用してガスをゆっくり注入することで、サンプルの流動化を防ぐことができます。
VacPrep™ 061
VacPrep™ 061は、2つの方法で汚染物質を除去します。 ガスを注入するか、真空状態でサンプルを加熱して汚染物質を排出することで、サンプルを作製します。 使用する材料や適用分野に応じて、最適な作製方法を選択できます。 VacPrepには、6個の脱ガスステーションが装備されており、各ステーションで真空またはガス注入のいずれかの作製方法を選択できます。 ニードルバルブも付属しているため、ガスをゆっくり注入することで、サンプルの流動化を防ぐことも可能です。
Smart VacPrep™ 067
Smart VacPrep™ 067は、真空状態でサンプルを加熱して汚染物質を排出することでサンプルを作製できる、6個のポートを搭載した高度なサンプル作製機器です。 各ポートは個別に操作できます。 他のサンプルの作製を妨げることなく、脱ガスステーションにサンプルを追加したり、取り外すことができます。 プログラムされたすべてのサンプル作製手順が完了すると、脱ガス処理は自動的に終了します。
超低温輸送システム
超低温輸送システム
Micromeriticsの超低温輸送システムは、液体窒素または液体アルゴンを、非加圧の保存用デュワー瓶から実験で使用する小さい容器に移すことができます。 特殊な適用分野向けのアクセサリーもご利用いただけます。
消耗品およびサプライ品
消耗品およびサプライ品
卓越したデータプレゼンテーション機能
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オペレーティングソフトウェア
オペレーティングソフトウェア
Geminiは、組み込みソフトウェアを介したキー操作、またはよりパワフルで汎用性の高いGemini Windowsオペレーティングソフトウェアを使用したPCによる操作という2つの方法で稼働できる分析装置です。
組み込みソフトウェアには、次の機能が搭載されています。
- システム検証試験
- BET 1点法およびBET多点法(Brunauer、EmmettおよびTeller)による表面積測定
- ラングミュア(Langmuir)法による表面積測定
- 総細孔容積
- Halsey法、Harkins-Jura法またはカーボンブラックSTSA厚さ曲線を用いたtプロット法による総ミクロ細孔容積および表面積測定
- Horvath-Kawazoe法を用いたミクロ細孔分布測定
- 吸着等温線を用いたBJH法による細孔径分布(Gemini 2390pおよび2390tのみ)
- BJH法を用いた吸脱着等温線、1,000個のデータポイント(Gemini 2390tのみ)
オプションのGemini Windowsソフトウェア
使いやすいGemini Windows 7インターフェイスにより、分析の計画、開始および管理機能を強化します。 生データを収集、整理、アーカイブおよび削減できるほか、標準化されたサンプル情報と分析条件を保存して、将来の適用事例で容易に活用することができます。
作成したレポートは、画面表示、印刷または多様な形式のファイルで保存できます。 図表のカット&ペーストやグラフの拡大縮小および編集、カスタマイズ可能なレポート形式などの機能が搭載されています。 コンピューターによる制御により、最大4台のGemini分析装置を1台のコンピューターで同時に運用することができます。
Gemini Windows® 機能
Gemini Windowsソフトウェアには、組み込みソフトウェアに含まれていない追加機能が搭載されています。
これらの機能には、次のものが含まれます。
- 設置手順動画およびハウツー動画
- 利用者が入力する必要があるデータの削減
- 利用者指定のエンドポイントを使用した圧力表の自動生成
- 過去のすべてのサンプルデータの保存と検索
- 利用者定義の圧力表
- サマリーレポート
- サンプルログ
- 等温線プロットの重ね合わせ
- x軸およびy軸の自動スケール
- 図表のカット&ペースト
- ASCIIおよびスプレッドシート形式へのデータのエクスポート
- 利用者定義の厚さ曲線(手動入力またはデータファイルからのインポート)
- 細孔径表の固定
- 線形プロットおよびログプロット(等温線、細孔容積、細孔表面積)
- 累積データおよび差分データ
- Broekhoff-de Boer厚さ曲線
21 CFR Part 11オプション
21 CFR Part 11オプション
Confirm™ソフトウェアを利用して、検証やセキュリティ、監査証跡、レポートなど、21 CFR Part 11によって規定されている様々な要件に対応できます。
Micromeriticsのガス吸着レポート
Micromeriticsのガス吸着レポート
Micromeriticsのすべてのガス吸着分析装置に搭載されているWindowsソフトウェアでは、次のレポートを利用できます。
等温線レポート:
- 表
- グラフィカル
- 圧力組成等温線
等温線のモデル化および表面積:
- BET
- ラングミュア(Langmuir)
- チョムキン(Temkin)
- フロイントリッヒ(Freundlich)
標準等温線モデル:
- tプロット法:ミクロ細孔容積、ミクロ細孔表面積、外部表面積
- Alpha-S法
- f比法
メソ細孔容積、メソ細孔表面積およびメソ細孔分布向けの標準モデル:
- BJH法*
- Dollimore-Heal法*
ミクロ細孔分布向けの標準モデル:
- Dubinin-RadushkevichおよびAstakhov法
- Horvath-Kawazoe法
- Saito-Foley法
- Cheng-Yang法
- MP法
細孔径のモデル化向けの密度汎関数理論
- 窒素、アルゴンまたは二酸化炭素を使用したスリット状細孔
- 窒素またはアルゴンを使用したアルカリ交換ゼオライトの円筒形細孔
- 窒素またはアルゴンを使用した水素またはアンモニウム交換ゼオライトの円筒形細孔
- 架橋粘土向けのウィンドウ形状モデル
表面エネルギー向けの密度汎関数理論:
- 77 Kにおける窒素を用いた表面積およびエネルギー分布測定
- 87 Kにおけるアルゴンを用いた表面積およびエネルギー分布測定
* BJH法およびDollimore-Heal法では、脱着等温線に基づいた細孔径レポートを最大限に活用するために、Gemini VII 2390tを使用する必要があります
Gemini VII リソース
アプリケーションノート