HPVA II
高圧体積分析装置
- 高真空~100 barまたは200 barまでの圧力範囲に対応
- 超低温~500°Cの幅広い温度範囲に対応
- 全自動分析
- インタラクティブなMicroActiveソフトウェアによるデータ削減
HPVA IIは、水素やメタン、二酸化炭素などのガスを用いて、静的体積法による高圧吸脱着等温線を取得できます。 MOFやゼオライト、ミクロポーラス炭素などの幅広い材料を、わずか数ミリグラム使用するだけで分析できます。 水素貯蔵や二酸化炭素隔離、電池および燃料電池、炭化水素トラップなど、各適用分野の理解を深めることができます。
特長と利点:
- シングルサンプルポート、または同時分析が可能な4つのサンプルポート
- 窒素、水素、メタン、アルゴン、酸素、二酸化炭素などの一般的な吸着ガスに対応
- NIST REFPROPを含むソフトウェアを搭載
- 再循環槽、超低温デュワー瓶、クリオスタットまたは加熱炉を使用した、優れたサンプル温度管理
- ヒーターを用いたマニホールド温度管理により、優れた安定性と精度を実現
仕様
物理的
高さ | 88.9 cm |
幅 | 50.8 cm |
奥行 | 50.8 cm |
重量 | 27.2 kg |
電気的
電圧 | 100~240 VAC |
周波数 | 50~60 Hz |
物理的
温度 | 動作時:10~45 ºC 非動作時:-10~55 ºC |
技術
マニホールド
マニホールド内のすべてのバルブは、空気圧で作動する高圧バルブです。 すべてのバルブの接続部は、厚壁ステンレススチール316L製であり、溶接されているか、VCRまたはVCOの接続部を使用しています。 すべてのガス供給ラインは、2ミクロンのインラインフィルターが装着されています。 マニホールドは、10~9 cm3 atm/secで漏れ試験済みです。
圧力変換器
ユニットの最大動作圧力に応じて、キャパシタンスマノメーター型(MKS Baratron)または電子ブルドンゲージ型(Mensor)のいずれかの変換器を使用します。 いずれの場合も、接続部にはVCRコネクタを使用します。
真空システム
5-CFM機械式ポンプとピラニ真空計で構成されています。 オプションでターボポンプまたは分子ドラッグポンプを利用できます。
恒温槽
冷蔵循環槽(付属)により、オペレーターが指定したサンプル温度を維持します。
活性化ユニット
マルチポートユニットの場合、HPVA分析装置には、試験を実施する前にサンプルを乾燥または活性化させるための、個別の活性化ユニットが搭載されています。このユニットは、真空システム、加熱炉およびマニホールドで構成されており、真空システムとマニホールドは、直径2.54 cmの空気圧バルブを使用して接続します。 VCOコネクタを使用して、サンプルホルダーを分析マニホールドに取り付けます。 また、埋め戻し用のヘリウム供給ラインも搭載されています。 加熱炉は、最大500°Cの温度まで対応可能で、ランプおよびソーク機能を搭載したPIDルーチンによって制御できます。
HPVA II 機能
- 幅広い動作圧力範囲: 高真空~100 barまたは200 bar
- 幅広い温度範囲: 超低温~500°C
- 再循環温度槽、超低温デュワー瓶または加熱炉を使用した、優れたサンプル温度管理
- ヒーターを用いたマニホールド温度管理により、優れた安定性と精度を実現
- インタラクティブなソフトウェアを使用した全自動分析
- 優れたデータ再現性
- 窒素、水素、メタン、アルゴン、酸素、二酸化炭素などの一般的な吸着ガスに対応
- Microsoft® Excel®マクロを使用したデータ処理とグラフ作成が可能な、包括的なデータ分析パッケージ
- NIST REFPROPを含むソフトウェアを搭載
HPVA IIの一般的な適用分野
二酸化炭素隔離
炭素やその他の材料によって吸着可能な二酸化炭素量を評価することは、二酸化炭素隔離の継続的な研究において重要な役割を果たします。 HPVA IIなら、高圧下で二酸化炭素を注入した領域の地下条件をシミュレートすることができます。 冷却槽または加熱槽を装着して、安定した温度範囲での二酸化炭素の吸着量を評価し、そのデータをもとに吸着熱を計算できます。 これらの等温線は通常、高圧下で二酸化炭素が凝縮されるため、周囲温度近くの条件下で最大約50 barまで分析可能です。
水素貯蔵
多孔質炭素や金属有機構造体(MOF)などの材料の水素貯蔵容量を測定することは、クリーンエネルギー源の需要が高まっている現代において、非常に重要です。 これらの材料は、水素の安全な吸脱着が可能なため、水素貯蔵に最適です。 MOFで吸着および貯蔵された水素は、ガス状の水素に比べて体積エネルギー密度が高く、水素を液体で保持するために必要な超低温環境が不要になります。 HPVA IIソフトウェアでは、重量パーセントプロットを用いて、指定温度のガスの吸着量をサンプル質量の関数として表示します。これは、サンプルの水素貯蔵容量を確認するための標準的な手法です。
コールベッドメタン
HPVA IIを使用して、地下の石炭層に存在する多孔質石炭サンプルを分析し、高圧下でのメタン容量を測定できます。 これにより、地下の石炭層におけるメタンの吸脱着特性を明らかにして、石炭層の埋蔵量において利用可能な炭化水素量を推定できます。 実験から取得した反応速度データをもとに、特定の圧力と温度下におけるこれらの多孔質石炭サンプルのメタンの吸脱着速度を確認することも可能です。
シェールガス
高圧下でメタンをシェールサンプルに注入して、吸脱着等温線を生成できます。 これにより、特定の圧力と温度下におけるシェールのメタン容量を測定できます。 吸着等温線を使用して、ラングミュア(Langmuir)法によるシェールの表面積と体積を計算することが可能です。 ラングミュア法によって測定されるシェールの表面積は、吸着ガスが単分子層を形成することを前提としています。 ラングミュア法によって測定される体積は、無限圧力下でのメタンの吸着量です。すなわち、サンプルの表面積に吸着できるメタンの最大体積です。