バイオマスの付加価値化学品への変換のための触媒プロセスの開発

2023年9月6日

概要

バイオマスは、炭素ベースの燃料や付加価値の高い化学物質を生産するための、再生可能で持続可能な唯一の原料である。リグノセルロース系バイオマスは、バイオマスの中で最も豊富な形態であり、高分子糖類(すなわちセルロースとヘミセルロース)と芳香族酸素含有ポリマーであるリグニンから構成されている。本講演では、これら2つの主要構成要素を価値化するアプローチを紹介する。

リグニンのフェノールへの変換は、年間1,000万トン以上の世界市場を持つバルク化学物質への代替経路を提供するという点で魅力的である。リグニンの解重合、脱酸素、分解を含む多段階プロセスは、異なるビルディングブロックを共通の生成物であるフェノールに導くために必要である。リグニンのメカノ触媒的解重合は、無溶媒環境下で固体触媒を用いて固体原料を変換する機会を提供する。ボールミルの機械的な力によって、固体-固体間の密接な相互作用が誘導され、少なくとも1100Kの短時間のホットスポットが形成される。有機反応物から酸素原子を吸収できる欠陥部位を持つ還元可能なセリア-ジルコニア触媒上で、選択的なヒドロデオキシゲン化が達成される。最後に、ゼオライト触媒による分解反応で、フェノール類からアルキル側鎖を除去する。

一旦形成されれば、フェノールは様々な汎用化学品、材料、さらには医薬品の有効成分を生産するためのプラットフォーム分子として機能する。

オンデマンドで入手可能